健康な人こそ注目して欲しい「霊芝の力」

「健康な人が霊芝を飲んでも効果はありますか?」こうした疑問を感じる人は大勢いると思います。そもそも、健康な人に霊芝を飲む必要があるのでしょうか?この疑問を解消する為に、一つ霊芝に関する新しい研究を紹介します。

文/許嘉玲   中文版/請連結

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2017年2月、台湾の中山医学大学の王進崑教授のチームが薬理学の雑誌≪Pharmaceutical Biology≫に非常に興味深い臨床実験の研究結果を発表しました。

この研究では霊芝のカプセルとプラセボ(偽薬)を使って行いました。プラセボ(偽薬)は霊芝抽出物の残渣(ざんさ)と90%の澱粉(でんぷん)で出来ていますが、カプセルは赤霊芝(Ganoderma lucidum)の抽出物を使用し、その内7%の霊芝酸と6%の高分子多糖体が含まれています。

研究では男性22名、女性20名計42名が参加しました。年齢層は40歳から54歳です。42名中数名に、若干GOT、GPT値が高かったり脂肪肝と胆嚢(たんのう)ポリープがあったりしましたが、その他は全体的に健康状態は良好です。

実験内容としては、まず全員をAとBの二組に分けて「交差二重盲検試験」[i]を行いました。A組はまずプラセボ(偽薬)、B組は霊芝カプセルを与えました。毎日昼ご飯と晩ご飯の後に1粒を6ヶ月間服用しました。6ヶ月経つと、全員が1ヶ月間の休薬時間に入ります。その後にAとB組に与えた物を交換して、A組には霊芝のカプセル、B組にはプラセボを服用させました。服用時間も同じく6ヶ月間でした。

今回の参加者は全員健康体であるため、「交差二重盲検試験」では全員の霊芝カプセルとプラセボを服用した後の違いが分かります。結果を見ると、参加者全員の身長、体重、体脂肪とボディマス指数(人の肥満度を表す体格指数)にははっきりとした変化はありませんでしたが、血液検査では、霊芝カプセルを6ヶ月間服用すると人の酸素レジカル吸収能(抗酸化能力の指標)や抗酸化酵素の含有量と活性が明らかに上昇していることが分かりました。更に、細胞膜とDNAが受けた酸化によるダメージが遥かに減少していることも判明しました。それに比べ、プラセボを服用した人にはこの様な変化は見られませんでした。

赤血球の中に含まれている抗酸化酵素は、体の抗酸化能力を表す大事な指標です。酸素を運ぶ大切な役目を果たしている赤血球は、実は最も酸化のダメージを受けやすい細胞であるため、こうした赤血球を酸化から護ることは重要な課題となります。

そして今回の実験結果で、霊芝は赤血球の中に含まれる抗酸化酵素の含有量を大幅に増やすことも証明されました。(下記の図を参照)

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その他に、霊芝のカプセルを服用した後、GOTとGPT(肝臓や心筋、筋肉などの細胞の異常があるかどうかを判明する為)の数値も平均42%と27%に減少しました。また参加者の内、脂肪肝と胆嚢ポリープがあった3名は霊芝のカプセルを服用した後の腹部超音波検査では、元の症状がほとんど見られませんでした。(下の図に参照)

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図(A)、(B)、(C)は参加者の腹部超音波検査の写真です。

(A)と(B)は軽い脂肪肝、(C)は胆嚢(たんのう)ポリープがありました。

(D)、(E)、(F)は6ヶ月間霊芝カプセルを服用した後の写真です。

 

この研究で、霊芝は健康な人にも抗酸化作用や肝機能の向上と肝臓損傷を治す効果があることが分かりました。酸化は老化の原因でもあるので、霊芝は老化防止の効果もあると言っても過言ではありません。

今回の参加者たちは、一日一粒225mgの霊芝カプセルを服用することによって、健康状態を更に向上させることが出来ました。病気になってから霊芝に頼るのも一つの方法ですが、健康の時から霊芝を服用する習慣を身につけるのも良い選択ではないでしょうか?

【交差二重盲検試験】

プラセボによる「プラシーボ効果(思い込み効果)」を除去するために、医者にも患者にも、どちらが薬効のある「披検薬」で、どちらが薬効の無い「プラセボ」であるかわからないようにして、治験を進める方法。


〔資料來源〕Chiu HF, et al. Triterpenoids and polysaccharide peptides-enriched Ganoderma lucidum: a randomized, double-blind placebo-controlled crossover study of its antioxidation and hepatoprotective efficacy in healthy volunteers. Pharm Biol. 2017; 55(1):1041-1046. doi: 10.1080/13880209.2017.1288750.